まずはじめに知っておいてほしいこと。
それは・・・
軟骨は痛みを感じない。
という事実です。
かとうPT
はじめて聞いた方はビックリするかもしれませんが、これは私の持論とかではなく、医学的な常識であり事実です。
軟骨には痛みを感じる神経がないので、股関節のレントゲンのみの判断で・・・
- 股関節の隙間が狭いから、これが痛みの原因
- 股関節の隙間が潰れているから、これが痛みの原因
などと言われても、レントゲンのみの判断では、痛みの原因の追求に限界があります。
では、股関節の痛みの原因はどこにあるのでしょうか?
これから詳しくお話ししていきますね。
股関節の痛みに関係する軟部組織
軟部組織とは簡単にいうと、カラダを構成している組織のことを言います。
レントゲン写真には、骨、そしてうっすらと内臓の影やカラダの輪郭が写っています。
しかし、実際には骨に加えて、筋肉、筋膜、神経、股関節唇、靭帯、関節包、滑液包、血管、リンパ管、皮膚など、レントゲンには写らないカラダの軟部組織がたくさんあります。
レントゲンに写らない組織
何度も言いますが、レントゲン上で股関節の隙間が狭くても軟骨には神経がないので、痛みを感じることはありません。
そして、レントゲンには写らない軟部組織には神経が豊富に存在するため痛みを感じます。
それが先ほどもお話しした、筋肉、筋膜、神経、股関節唇、靭帯、関節包、滑液包、血管、リンパ管、皮膚などなのです。
これらは股関節を実際に動かしたり、股関節周囲の筋肉を触れて硬さを確かめたり、皮膚を滑らせて動きを確認することでしか問題をはっきりさせることができません。
触診という、実際に触れて、動かしてみて、感触を感じてなどの検査が必要なのです。
股関節の痛みの原因
上記のことから、股関節の痛みの原因の大部分は、筋肉、筋膜、神経、股関節唇、靭帯、関節包、滑液包、血管、リンパ管、皮膚などになります。
そして、これらを元に痛みの原因を大きく2つに分けることができます。
- 軟骨の摩耗、股関節唇の損傷などによる関節包内の炎症
- 炎症の影響を受けて、筋肉・筋膜・神経などの滑走不全、血流障害、循環不全による筋筋膜性疼痛症候群および神経因性疼痛症候群など(股関節各種手術後にもかかわらず股関節周囲に痛みや違和感などが残っている場合、術前に股関節の炎症の影響を受けたこちらが主な原因になります)